偽りの弟と真実の妹、そして裏切り者 【2】 




 枢木スザク。
 日本最後の首相たる枢木ゲンブの遺児。そして名誉ブリタニア人となり、更には軍人となって日本を棄てた男。彼自身の意思はどうあれ、他のイレブンとなった元日本人から見れば、彼は日本を、日本人であることを、その誇りと共に棄ててブリタニアの走狗となった男としか見られていない。思われていない。
 スザクはルルーシュにとって初めてできた友人だった。最初の出会いは、彼の居場所を奪ったブリキ野郎、と突然殴りかかられるという最悪のものではあったが、その後、友誼を深め、繋がりを強くした。年齢的にいっても幼馴染と言っていいだろう。ルルーシュの中では、そしてまたスザクにしても、互いに親友と言える間柄にまでなった。
 しかしそうして共に過ごすことができたのは、ブリタニアが宣戦布告し両国が開戦するまでの短い期間のことでしかなかった。それでもルルーシュの心の中に、スザクの存在は強く残り、そして日本に送り込まれて唯一良かったと思えたのがスザクとの出会いと言えた。ゆえに、ルルーシュの中でスザクに対する執着といってもいいかもしれないほどの拘りが生まれ、それが後の悲劇を生むこととなった。
 有体に言ってしまえば、ルルーシュはスザクのことはあくまでも思い出の一つとして忘れるべきだったのだ。あの幼い日々の共に過ごした短い日々だけの大切な思い出として、心の中に留めるだけにしておくべきだったのだ。
 時を経ての最初の再会の時も、スザクは幼い頃と変わらなかった。相手が誰なのか何一つ確かめることをせずに、己の勝手な理屈で── もちろん上からの命令、ということもあっただろうが── 突然ルルーシュに躍りかかり、襲ったのだ。相手がルルーシュと分かるや、その態度を変えはしたが。
 その時、スザクは上官の命令に逆らいルルーシュの代わりに撃たれた。スザクは死んだと思ったルルーシュは、その場で拾ったと言っていいのだろうか、少女を連れて慌ててその場を逃げ出した。
 2度目の、出会いとも言えぬ再会は画面越しだった。
 スザクはルルーシュが思ったように死んではおらず、無事に生き延びていた。しかしエリア11総督である第3皇子クロヴィスの暗殺犯として引き立てられていたのだ。
 だからルルーシュは危険を犯すことになるのは承知の上で、仮面を被り、“ゼロ”と名乗って、自分こそがクロヴィス暗殺の犯人だと名乗り出、奸計と、彼が得た力をもってスザクを救い出した。
 しかしそうして救い出したスザクは、ゼロであるルルーシュの差し伸べた手を取ることなく、それを拒否して、ルールに従うとブリタニア軍に戻っていった。
 スザクが容疑者とされたのは、クロヴィス総督暗殺の犯人を挙げる必要があったこと、そして彼が純粋なブリタニア人ではなく、所詮は名誉にすぎないということから、ある意味、生贄として選ばれたに過ぎない。これだけを考えればあまりにも理不尽だ。その過程のどこにルールがあるというのだろうか。にもかかわらず、スザクはルールなどあって無きが如しのブリタニアに戻ると言って戻っていった。彼は理解しているのだろうか。そこに、自分が容疑者とされたことには何らルールは存在せず、ただブリタニアの、殺されたクロヴィスの側近たちの思惑のみ、都合のみであったことを。理解などしてはいまい。していれば戻るなどという選択はしなかったはずだ。
 そしてその時点、スザクがルルーシュの手を取らなかった時に、ルルーシュはスザクを切るべきだったのだ。
 スザクは、かつて幼い頃の、共に過ごした頃の彼とはもう違うのだと、自分の知る幼馴染のスザクではないのだと割り切るべきだったのだ。しかしルルーシュにとってスザクは初めてできた大切な友人、親友であり、そう簡単に切り捨てることなどできようはずがなく、スザクの存在に拘り続けた。それが後に大きな誤り、不幸を招くことになることを予想することもないままに。
 その後、スザクはどのようなことがあってのことか、皇族── それはミレイの口から、クロヴィスの死後に副総督としてやってきた第3皇女ユーフェミアによるものと知れたが── の口利き、要はお願いという名の命令により、アッシュフォードはそれに逆らうことができず、彼のアッシュフォード学園への編入を認めることとなった。
 スザクが編入してきた当初、彼が名誉ブリタニア人ということで、他の学園に比較すればアッシュフォードはずっと開放的な学園と言えたが、それでもやはりイレブンに対する蔑みはある。それは名誉となった者に対しても同様だ。名誉とつくとはいえ、結局のところ元はイレブンに過ぎないのだから。
 ゆえに編入当初、スザクはそうした者たちの手によって悪質な苛めにあっていた。それを防いだのがルルーシュの行動だった。ルルーシュはスザクを己の友人、親友だと告げ、自分が所属する生徒会に引き入れた。生徒会でもルルーシュの友人であるならばと、暖かく迎え入れた。イレブンに恐怖心といってもいい感情を持っているニーナは多少引いてはいたが。だがそれがきっかけとなって、スザクに対する苛めと言っていい類のものは影をひそめ、スザクの学園生活は過ごしやすいものとなった。とはいえ、さすがに影口までは防げなかったが。
 その他にも、ルルーシュはスザクが少しでも過ごしやすいようにと気を遣い、日本が征服されて以降、ほとんど学生のする勉強らしいものをしていなかったにもかかわらず、いきなり高等部── 年齢からすれば確かに間違ってはいないが── に入って分からないところばかりの彼に対して勉強を教えてやったりもした。
 しかしそれらに対して、スザクからルルーシュに対しての謝礼の言葉は一度としてなかった。親友なのだから当然のこと、とでもスザクは考えていたのか。いたのだろう。確かに、勉強を教えた後などには「助かった」とか「ありがとう」といった言葉が発せられたことは何度かあったが、ルルーシュにはそれは表面的な、上っ面だけのものにしか聞こえなかった。人の言葉に対して敏感なルルーシュがそう感じていたというのなら、それは事実だろう。そう、スザクはルルーシュが自分に対してしてくれていることは、友人なのだから当たり前のこと、当然のことと考えていたのだ。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるが、スザクにはそれはなかったと思われる。ブリタニアによって征服され、名誉ブリタニア人になってそれなりの苦労はしてきているだろうし、変わった部分もあるだろうが、元をただせば日本最後の首相である枢木ゲンブの息子、日本でも有数の旧家、名家の出身ということで、生来の資質は完全には変わっていないのだろう。どこかしら、ブリタニア人に対してはともかく、同じ日本人、イレブンに対しては見下す傾向が、僅かだが少なからず見られた。とはいえ、スザク本人にはそのような意識はないようではあったが。だからこそ、それはスザクの持って生まれた、あるいは育てられた環境の中で自然と身についたものであり、いまさら変えようがない、変わりようがない、とも言えるのだが。
 そしてまた、スザクはルルーシュとナナリーに嘘をついた。それは二人に心配をかけたくない、という心からのものだったのかもしれないが、偽りを告げていたのは事実だ。そこで分かっていれば、ルルーシュのその後の対応も変わっていただろう。考えてみればブリタニア人によって都合のいい名誉ブリタニア人のスザクを、単なる技術部などに配属し、戦線から離脱させるなどということはないのに。そこに考えが至らなかった自分を、ルルーシュは後に深く後悔したものだ。
 実際にはスザクはブリタニアの所有する現行世界唯一の第7世代KMFランスロットのデヴァイサーであり、つまりは、ゼロたるルルーシュの率いる黒の騎士団の一番の難敵となっていたのだから。
 それが知れたのは、キョウトを通して、かつての“厳島の奇跡”たる藤堂鏡志朗を、彼の部下たる四聖剣と共に救い出す作戦の時だった。
 チョウフ基地でスザクの操るランスロットによって処刑されようとしている藤堂を、彼らは救い出した。その際、藤堂はランスロットのコクピット部分を切って中を曝け出し、それによってデヴァイサーとして騎乗していたスザクの姿を公衆に曝す結果となった。その時にルルーシュが受けた衝撃は、言葉で言い尽くせるような簡単なものではなかった。自分の手を取ってくれなかったどころか、最大の敵だったのだから。
 藤堂を処刑するという任務を果たせず、逃がしてしまったにもかかわらず、副総督たる第3皇女ユーフェミアによって、スザクは彼女の騎士として指名された。名誉が皇女の騎士、その公表の前にスザクの失態は隠れてしまった。イレブン上がりの一介の名誉ブリタニア人がKMFのデヴァイサーであり、その上、皇女に騎士として任命されたことの方が大きく取り沙汰された結果だ。
 ルルーシュにとっては、スザクにはいずれは共にあることができなくなるかもしれないナナリーの騎士となってほしいと思っていた部分もあったことから、引き続いたショックは相当のものだった。嘘だと、何かの間違いだと言ってほしいと心のどこかで叫んでいた。
 しかし事実は変えられない。やがてスザクの騎士叙任式典が行われ、スザクは正式にユーフェミアの選任騎士となった。
 にもかかわらず、さすがに出席日数など減りはしたものの、彼はそれまでと変わることなく、ユーフェミアがいいと言ってくれているからと学園に通い続けた。それが、その学園に隠れ住む二人の元皇族── ルルーシュとナナリー── に対して、どれほどの危険を持ち込むことになるのか考えもせずに。
 そしてひたすら自分の持論を展開してユーフェミアを称賛し、ゼロを否定する。ユーフェミアは素晴らしい、ゼロは間違っている、テロなどではなく、中に入って内から変えていくべきだと。
 神聖不可侵の皇帝を戴く絶対君主制の神聖ブリタニア帝国に対して、どうやって皇帝以外の、ましてや皇族でも貴族でもない、いくら皇女の選任騎士となったとはいえ、所詮は一介の名誉ブリタニア人が何を言っているのか、何をどうすればそんなことができるというのか、スザクの頭の中を覗いてみたいものだとすら思う。スザクのように騎士ではない唯の名誉ブリタニア人に、それこそ何ができるのか問い質したいと、幾度思ったかしれない。ごく限られた周囲の人間の思考を多少変えることは可能、かもしれない。だが、できたとしてもその程度だ。ブリタニアという国家の在り方を変えることなど、皇帝以外には誰にもできない。なのにスザクはそうとは思わない。それはスザクがブリタニアという国の本質を、絶対君主制という政体のことを何も理解していないからだ。だから簡単にそんなことが口にできるし、皇女の騎士となった後も平然と学園に通うなどという真似ができるのだ。
 ましてスザクが通う学園ということで、アッシュフォード学園の学園祭を訪れたユーフェミアが、そこで行った“行政特区日本”の設立宣言。言葉だけに惹かれ、深く考えることもせず、ただ称賛を繰り返し、ルルーシュたちに特区への参加を促してくる。本当にルルーシュたちの立場を考えていれば、理解できていれば、そのようなことができるはずがないことなど簡単に分かるものを、スザクは結局は何も考えず、理解しようとせず、ユーフェミアの提唱したことだから、これで日本、日本人という名を取り戻せると、表面だけを捉えてルルーシュたちを誘い続けるのだ。
 スザクの立場を思い、学園で少しでも過ごしやすいようにと心を砕いたルルーシュとは逆に、スザクは何も考えず、ルルーシュの思いを、考えを否定し、何も理解しようとしないまま、立場を危うくすることだけを繰り返す。果たして、そんな間柄を友人と呼べるのだろうか。
 そして“行政特区日本”の記念式典において、一度はユーフェミアの手を取ろうとしながら、ギアスの暴走によって、ルルーシュはかける気のなかったギアスをユーフェミアにかけることとなってしまい、そのために、責任を取るために、ゼロとして、ルルーシュはユーフェミアを撃ち、それだけが原因ではないのだが、結果としてユーフェミアは死んだ。ルルーシュが彼女を撃ったことが、彼女の死の引き金になったのは間違いのない事実である。
 そして突然現れた見知らぬ子供から教えられた、表面の一部だけを真実の全てと信じこみ、スザクは誘拐されたナナリーを救うために戦線を離脱して神根島に向かったゼロであるルルーシュを追った。ユーフェミアの仇を討つために。
 ルルーシュがユーフェミアを撃った時、ユーフェミアの傍には誰もいなかった。本来いなければならないはずの選任騎士であるスザクすら。騎士が傍にいれば、実際にどうなったかはともかく、可能性としてはユーフェミアを守ることは十分有り得たことである。だが実際には誰一人としていなかった。スザクは選任騎士としての役目を全く果たしていなかった。その点では紛れもなくユーフェミアの死には、つまりゼロがユーフェミアを撃つことができる状況を作り出したという点においては、間違いなくその場にいるべきでありながらいなかったスザクにも責任は過ぎる程にあるというのに、スザクはそのことには気付いていない、思い至りもしていない。ブリタニアの皇族、貴族、そして本来の騎士たちからすれば、まず最初に責められるべきは、するべき役目を果たしていなかったスザクなのだが、全てをゼロの、ルルーシュの責任として、自分の果たさなかった役目については何一つ気付いてもいない。気付こうともしていない。目で見て聞かされたこと以外、何も考えていないのだ。
 神根島でルルーシュに追いついたスザクは、彼を責め、「君の存在自体が間違っていたんだ」と、その存在、生きていることすら否定して、「ナナリーは僕が守る」と言い切り、スザクはルルーシュを撃ち、同じくその場に駆け付けていた紅月カレンは、スザクの言葉からゼロの正体を知るに至り、彼を見離して逃亡した。ゼロの親衛隊長という立場にありながら、カレンはゼロがクラスメイトのルルーシュ、しかも元皇族と知るや、裏切ったのだ。
 スザクは撃ったルルーシュを引き立て、ルルーシュが憎んでやまない彼の父、つまりブリタニア皇帝シャルルの前に引き出した。そして要求したのだ、褒賞として自分の出世を。帝国において臣下としては最高の地位になるラウンズとなることを。
 またその場において、スザクは教えられたルルーシュのギアスを忌避し、否定しながら、シャルルがルルーシュに対してギアスを使うのを結果的に容認した。ルルーシュに対してだけではない。その後のルルーシュの処遇のための対策として、アッシュフォード学園の生徒会メンバーやその周囲に対してすら、シャルルがギアスを使うことに対して何もしなかった。むしろ協力したといっていい。その時点でスザクはルルーシュに対してだけではなく、ルルーシュからの頼みということがあったとはいえ、自分が学園の中で過ごしやすくなるようにと協力してくれていた生徒会のメンバーをも裏切ったのだ。
 なのに1年程してゼロが復活すると、ルルーシュが記憶を取り戻して再びゼロとなったのではないかと、それを確かめるために、自分が生徒会メンバーに対して加害者であるということを何一つ自覚せぬまま、何も知らぬ顔で平然とアッシュフォード学園に復学したのである。それもエリア11の総督補佐という立場を持ちながら。
 スザクの、ユーフェミアの仇としてルルーシュを討つことは、彼をシャルルの前に引き出した時点で終わっていたはずである。しかし彼はそれで終わりにはしなかった。一度の行為には一度の行為で。つまり目には目を。だがスザクは、言ってみれば、ルルーシュに目と歯を要求したようなものである。どこまでもスザクにとってルルーシュはユーフェミアの仇であり、それは終わらないのだ、彼が生きている限り。ひたすらどこまでも憎み続ける。己の所業を棚に上げて。そう、スザクは自分の為したことを振り返って考えることをせず、されたことのみをどこまでも何時までも問題にし続ける。
 スザクは自分がナナリーを守ると言いながら、ナナリーにはルルーシュを捜しているという嘘をつき続け、更にはルルーシュが記憶を取り戻していないかを確かめるために、臣下の身でありながら、皇位継承権は低位に近いとはいえ、仕えるべき皇族であるナナリーを利用したのだ。ルルーシュに告げた言葉とはあまりにも裏腹な行為だ。にもかかわらず、スザクは自分がナナリーに対してしている行為がどういうものかの自覚がない。さすがにルルーシュの件について嘘をついている、ということは自覚していたようだが、それはナナリーの気持ちを思って、と自分に言い聞かせ、己の心を守っている。つまるところ、どこまでも自分が中心なのだ。
 そんなスザクだからこそ、そしてブリタニアという国を理解していないからこそ、ラウンズのワンになって、エリア11を所領として貰い受ける、などと口にすることができる。名誉であるスザクがワンになることな無理な話だし、仮になれたとして、彼がエリア11を所領として貰い受けたとしても、それは彼がワンでいる間だけのことであり、それもあくまでブリタニアの属領であることに変わりはない。つまりイレブンと呼ばれる日本人が望む、真の日本の返還ではなく、スザク一人の思い善がりに過ぎないというのに、そこまで考えが及ばない。そう、スザクはブリタニアのことも、エリア11となった日本とそこに生きるイレブンと呼ばれる日本人の気持ちなど、何一つ考えてはいない。ただ自分の考えだけが正しいのだと、それが一番いいのだと思い込み、固執している。それでは最終的には何も解決などしないというのに。
 第2次トウキョウ決戦の後、スザクはシュナイゼルから、シャルルを討ったら己をワンにしてもらうという、シュナイゼルの立場や性格を少しでも分かっていれば、守ってもらえるかどうかも分からない約束をとりつけ、シャルルを追って神根島に辿り着いた。
 神根島ではすでにルルーシュとシャルルが対峙していた。そこへどうしたことかやって来たC.C.と共に、シャルルとルルーシュのいるCの世界へと入った。そこでシャルルとルルーシュの遣り取りを聞き、シャルルの真意の全てを知った。それはスザクをしてすら忌避すべきものであった。結果として、シャルルはルルーシュがギアスを願いとして、シャルルたちが神と呼ぶ人の集合無意識にかけ、その願いが聞き届けられて、シャルルと、精神体としてのみ生き続けていたルルーシュの母親であるマリアンヌを消し去った。二人はその存在を否定され、拒否されて、Cの世界に呑み込まれたのだ。
 しかしその後も、全てを知った後であり、涙を流しながら実の両親を消すという行為をするに至ったルルーシュを目にしながら、スザクがルルーシュに向けて告げたのは「ユフィの仇だ」の一言だった。つまるところ、スザクにとってルルーシュの存在はそれだけでしかないのだ。
 自分がルルーシュだけではない、他の多くの人々に対して取ってきた行動の結果を何一つ考えることなく、ただ自分がされた、自分にとって誰よりも大切な、なのに守りもしなかったユーフェミアの仇だと、ルルーシュの命を求める。ならばブラック・リベリオンの際に、ルルーシュをシャルルの前に引き出すのではなく、その場で殺しておくべきだったのだ。なのにスザクは己の出世を選び、道を違えた。それはルルーシュに対してだけではなく、スザクが主としたユーフェミアをも裏切る行為であるのに、そこに考え至りもしない。
 所詮、裏切り者はどこまでいっても裏切り者でしかないということなのだろうか。





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