結果としては、全て丸く収まった、というべきなのだろうか。
結局、ICPOは快斗を怪盗1412として逮捕するよりも、協力者とすることに方針を決定したのだ。
ICPOは怪盗1412の死亡を確認した── 実際、死にかけた、というよりも、担当した医師に言わせれば生きている方が不思議なくらいだ── と発表した。
快斗としても、元々自分のプロフィールさえ流れなければ捕まっても── 場合によっては死んでも── いいつもりでいたので、特に否やはなかった。
怪我の回復は、紅子の力もあってか思ったよりも早く、万全でとは言い難かったが、T大の前期入試── 母親が願書を出していた── にも間に合うように日本に帰国が叶った。
高校の卒業式も無事に終わり── 快斗の体調が万全だったなら一波乱くらいはあっただろう── 後は入試結果を待つだけ。
その間、監視人の名目の元にアネットが付き添い、どうせなら結果まで見届けると言って日本に滞在している。ちなみに、日本での滞在先は黒羽家である。
入試結果については言うまでもない。
怪盗1412こと怪盗KIDは、最後まで確保不能のまま姿を消し、後には、一応マジシャン志望、の学生が一人残った。
全てを知っているのはその学生と、彼に協力という名で付き合った“赤の魔女”と探偵だけである。
── Fine
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