さあ、ゼロ・レクイエムの最後の舞台が始まる── 。
ナナリー、誰よりも愛しい妹よ。
俺はおまえに優しい世界を遺せるだろうか。
俺はおまえの望みを、ゼロというテロリストとなって叶えようとした。
俺にはそれしか方法が浮かばなかった。他に取るべき道はなかった。
しかしおまえはそれを否定し、結果としてもそれは失敗した。
そしておまえはシュナイゼルの諫言を信じ、帝都ペンドラゴンにフレイヤを投下した。
フジ決戦でも俺を止めるとフレイヤを撃った。
それは愚かな行為だったとしか俺には言えない。
真実を知らず、事実を認めず、何も知ろうとしなかったおまえ。
だがおまえをそんなふうにしてしまったのは他でもない、この俺自身。 おまえの犯した罪は俺の犯した罪でもある。
だからおまえを責めはしない。
だが忘れないでくれ、おまえが為したことを。
ペンドラゴンの民を殺したのがおまえだということを、何時か気付いてくれ。
けれどおまえの罪は俺が持っていくから、どうかおまえは平穏な未来を手に入れてくれ。
そしてブリタニアの元首になるなどという愚かなことだけは考えないでくれ。
それでは俺の為したことが全て無駄になってしまう。
俺が遺すことができるだろう世界で、おまえには平凡でもいい、平穏な、温和な将来を望む。
そして俺はもうすぐにおまえの前から消えるけれど、できるなら、こんな愚かな兄がいたことを忘れないでくれ。
俺の勝手な願いだということは分かっている。
けれど、たまにでいい、こんなにも愚かな兄がいたことを思い出してくれ。
ナナリー、俺のたった一人の妹よ、誰よりもお前を愛しているよ。
さあ、ゼロ・レクイエムのための最後のパレードが今始まる── 。
── The End
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