無事にブリタニアから解放されたカレンに、扇たちが呼んでいるからと案内されてゼロことルルーシュが連れてこられたのは斑鳩内の4番倉庫だった。
そしてそこで彼を待っていたのは、銃を構えた黒の騎士団の幹部たちの姿だった。
「観念しろ、ゼロ!」
「よくも我々をペテンにかけてくれたな!」
「君のギアスのことは分かっているんだ!」
次々と浴びせられる批難の言葉の間に、ルルーシュは倉庫の一角に、自分の異母兄であるブリタニアの宰相シュナイゼルとその副官の姿を認めた。
── そうか、全てはあなたの掌の上のことというわけか、シュナイゼル!
その瞬間に、ルルーシュは終わりを認めた。
この異母兄の諫言に、黒の騎士団は自分を裏切り者として処断しようとしている。最早何を言っても覆すことはできないだろう。
結局、自分の素性を明かすことができなかったがために、黒の騎士団のメンバーとはこんなふうに簡単に裏切られる程度の関係しか築けなかったのだとも思う。 彼らを率いて自ら前線に出ていた自分の行動など、彼らには何の意味も無かったのだと。
それに、あのフレイヤという大量破壊兵器の光の中に、自分にとって何よりも一番大切で護りたかった愛しい妹もその命を散らせた。もう自分が生きている理由は無いのだ。
ならばその思惑に乗ってやるのもいい。自分がいなくなった後の世界がどうなろうと、最早関係ない。
そう考えると、ルルーシュは黒の騎士団のメンバーを煽るかのように、おまえたちは駒であり、全ては盤上のゲームだったのだと憎まれ口を叩き、自分に向けて並ぶ銃口の前にその身を晒した。
── The End
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