私たちの出会いは、偶然なんかじゃなかった。必然だった。
マリアンヌたちの元から去った私がおまえを見つけ出したのは、決して偶然ではない。私は私を求めてくれる者を、本来の私を見つけ出してくれる者を求めていた。そうして私が見つけたのがおまえだった。
おまえが私の手を取ったのが、その時は死ぬことはできないと、縋るような気持ちのものであったのだとしても、それは決して偶然などではない。
私を唯一の共犯者と呼ぶおまえ。唯一、私の前でだけ素顔を、本音を曝してくれるおまえ。私が魔女なら自分が魔王になればいいと言ってくれたおまえ。
そんなおまえだからこそ、私は約束しよう。
たとえ何があろうと、誰がおまえを裏切ろうと、私は、私だけは決しておまえを裏切らないと。何時だって、どんなところであっても、必ずおまえの傍にいると。
この荒んだ世界の中で、私とおまえと、二人だけでいい。
他には何もいらない。おまえさえいてくれれば、それだけで私は私でいられる。
だから、魔女となった身で初めて神に祈るなどという愚かな真似もしてみる。おまえを傷つける者、おまえを苦しめる者が全ていなくなればいいと。
けれどおまえの苦しみの要因が、同時におまえの生きる支えであるというのなら、その無事を祈ってやろう、とても剛腹なことではあるが。
それくらい、おまえは私にとって大切で、掛け替えのない、初めて得た存在なのだということを、おまえは分かっているだろうか。
唯一、私の真名を知る私の共犯者、私の大切な、私だけの魔王よ。私は私の全てを懸けておまえを守ろう。おまえの幸せがまた私の幸せに繋がると知っているから。
だからルルーシュ、私を置いて逝くな。私を一人にしないでくれ。
唯一私が心を許したおまえだからこそ、私は初めて魔女ではなく一人の女として神に祈る。おまえが私の傍にいてくれるようにと、おまえが一人だけ死ぬことのないようにと。
それがおまえの意に反することであっても、私にとってはおまえだけが全てなのだから。
── The End
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